理想的な食生活

ゆっくりかみながら腹八分目

肥満を防ぐには、食事からのカロリー摂取量を減らせばよいのですが、これが意外にむずかしいのです。

たとえば、三食を二食にしても、やせるどころか太ったという実験結果もあります。食事量が少なくなると、自然に体が食物がより少なくなったときに備え、エネルギーを貯蔵しようとするらしいのです。

いちばんよい方法は、満腹になるほど食べないことです。食事は、腹八分目を習慣にするようにします。そのためには、「ゆっくり、よくかみながら食事をする」ことです。

ゆっくり時間をかけて食事をすることにより、先に食べたものが吸収され、血糖値が上昇します。血糖値がピークに達するのは、食後30分から1時間後です。このピークに達した血糖値が、脳を刺激し、空腹感を抑え、それ以上の食欲にストップをかけます。したがって、食べる量が少なくなります。

早食いをすれば、血糖値が上がる前に食べ終わってしまいます。食事中に食欲がおさまらず、腹八分目では食べ終わりません。知らず知らず食べすぎてしまいます。統計的にも、太っている人には、早食いの人が多いといわれています。

また、ゆっくり食べれば、食べ物をよくかむことができます。よくかむ食べ方は、食べたもののエネルギー代謝を活発にする、太りにくい食べ方なのです。

快適な生活は朝食から

健康状態が良好な人は、規則正しい朝食の習慣が身についています。

朝食は消化吸収の効率が他の食事に比べ、格段によいのです。朝食によって効率よく消化吸収されたエネルギーは、体の機能を目覚めさせ、脳を刺激し、一日を活動的にスタートさせます。

朝食を取らないことがダイエットだと考えている人もいますが、やせるためであれば、三食必ず取ることが大切です。そして夜の食事は控えめにしましょう。

朝食を抜くと、空腹状態が続くために、肝臓で脂肪をつくる能力が高まります。脂肪を分解する能力は低下するので、体に脂肪が増えて肥満しやすくなります。仕事を能率よくするためにも、健康のためにも、朝食をしっかり取りましょう。

日本人の三割以上が朝食を取っていないといわれています。一日の必要な栄養は、だいたい成人男子で2400キロカロリーとされていますが、そのうち約25%は朝食でまかなうようにしたいものです。

望ましいメニューは、ごはんやパンのほかに、卵や肉・魚のたんぱく質、それに野菜をいっしょに取ることです。牛乳を毎朝飲むようにするのは、とてもよいことです。

また、起きてすぐ食べるのではなく、30分くらいたってからのほうが消化吸収がよくなります。朝はゆとりのある生活を心がけましょう。

野菜はビタミンとミネラルの宝庫

野菜が体にいいことは、だれもが認識していますが、まだまだ食べる量は足りないようです。
野菜はほかの食物からは摂取しにくい、ビタミンやカルシウム、鉄分といったミネラル、食物繊維を供給します。

とくに、食物繊維は腸のぜん動運動を高め、食物のカスを掃除し、便秘を防ぐほか、小腸でコレステロールが吸収されるのを防ぐため、糖尿病をはじめ動脈硬化、高血圧などを予防します。

野菜を多く取るためには、必ず食事に野菜料理を一品つけるようにします。それも、生のままだと量が多すぎて取る量も限られるので、煮たり、炒めたりし、できるだけ多く取りたいものです。

緑黄色野菜、淡色野菜をそれぞれ一日に200グラム程度、バランスよく取りたいものです。また、外食は野菜がどうしても不足しがちですので、意識的に補って食べるようにします。

塩分ぬきの日本食こそ理想食

日本人の食事は栄養構成から考えると、理想に近いのです。

日本食はあまり脂肪分が含まず、動脈硬化にかかりにくい食事として世界中から注目を集めてきました。脂肪は植物から取ることが多く、たんぱく質は魚から、エネルギーは米など穀物から取っています。

問題なのは、おかずに塩分が多いことです。たとえば、東北地方では、漬物や保存食をたくさん食べるため、一日当たりの塩分20~30グラムにもなります。できれば、一日10グラム以内におさえたいものです。

欧米人の栄養構成は、総エネルギー量が多く、たんぱく質(とくに動物性たんぱく質)と脂肪、それに砂糖が多いのが特徴です。動物性たんぱく質は、動脈硬化を促進するコレステロールとなります。何度も述べましたが、脂肪の取りすぎは、肥満につながります。

この欧米型の食事に日本も次第に近づきつつあるようです。最近、動物性たんぱく質や動物性脂肪の摂取量が増え、若者を中心に、魚離れや米離れが進んでいます。日本の食文化も次第に衰退しつつあるといえます。自らの健康のためにも、日本食の優れた点を再評価し、毎日の食事に積極的に取り入れていきましょう。

ところで近年、逆にアメリカでは、健康食として日本食が見直され、ブームとなっています。日本はアメリカ化し、逆にアメリカは日本化し、なんとも不思議な現象です。

塩分は控えめに

塩分は、取りすぎると高血圧につながります。一般の人が一日に必要な食塩は、3グラムといわれています。高血圧を予防するためには、一日10グラム以下におさえることが必要です。

しょうゆや食塩、みそなどの調味料に含まれている塩分量は想像以上に多いものなのです。

料理の味つけを薄めにし、香辛料や酢を使った味つけを工夫しましょう。

糖類は一日100グラム以下に

人間にとって、クルマのガソリンのような、エネルギー源としての働きをするのが糖類です。

でん粉や砂糖、果物に含まれる果糖などです。これらは、食べた後は体を動かしたり、ものを考えたりするエネルギーとなるわけですが、余った糖質は皮下脂肪に変えられ貯蔵されます。

糖分の摂取量は、一日100グラム程度が望ましいとされています。ごはんになおしますと、茶わんにかるく三杯よそっただけで、糖類は100グラムを超えてしまいます。一日にごはんを三杯食べれば、間食でとってよい糖類の量は、ゼロというわけです。

ちなみに、甘いものに含まれる砂糖の量をみてみましょう。

・ショートケーキ1個(80g) 38グラム
・チョコレート1枚(45g) 24グラム
・アイスクリーム1個(70g) 16グラム
・栄養ドリンク1本(110ml) 15グラム
・ジンジャエール1本(200ml) 18グラム
・ようかん1切れ(50g) 35グラム
・大福もち1個(70g) 36グラム
などとなっています。

見た目にもおいしそうで、ついつい食べ過ぎてしまうこれらの食品はとくに注意が必要です。

家庭によい食習慣を

糖尿病は、食べすぎなど、日ごろの習慣が発病の要因になっています。

家族がそろって食事するなかで、早食いや大食いといった悪い習慣を、子どもが親から見習ってしまうということが考えられます。

糖尿病は遺伝する病気ですから、親が糖尿病であれば、子どもも糖尿病の体質を受け継いでいる可能性が高いのです。そのうえ、親が悪い食生活の習慣を続けることは、自分のためにならないばかりか、子どもをも危険にさらすことになります。

悪い習慣はなにも食事に関してだけでなく、運動をあまりしないといったほかの日常生活にもあてはまります。

かりに父親が糖尿病にかかってしまったとしたら、父親だけが特別食を食べるというようなことをせず、糖尿病を父親だけの問題としないで、家族全員で健康に暮らせる生活習慣を考え、身につけるようにしたいものです。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする