糖尿病は恐ろしい病気です。放っておいたり病気のコントロールがうまくいかなかったりすれば、余病を併発し、死ぬことさえあります。糖尿病を原因とする失明や尿毒症、下肢が腐る「えそ」にかかる例もみられます。とくに、成人になってからの失明原因の第一位は糖尿病によるものです。

しかし、早く発見し、医師の指示に従って自己管理を続けていけば、一般の人と変わりなく生活することができるのです。糖尿病は発見が遅れると恐ろしい病気ですが、早期から根気よく治療していけば、普通に生活することもできるのですから、むやみに恐れる必要はありません。

糖尿病は自分を管理していくことが要求される病気です。皆さんが、糖尿病の知識を身につけ、生活を上手にコントロールし、糖尿病に負けずに、人生を快適に楽しみながら、暮らしていかれることを心から願っております。

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  1. こうして糖尿病になる
    1.1 増える糖尿病患者
    1.2 糖尿病は生まれつき
    1.3 肥満が諸悪の根源
    1.4 ストレス社会の風土病
    1.5 典型的な成人病
  2. 糖尿病の症状
    2.1 症状はさまざま
    2.2 糖尿病の本来の症状
    2.3 合併症による症状
  3. 糖尿病はなぜ起こる
    3.1 三大栄養素の働き
    3.2 インスリンの役割
    3.3 インスリン依存型糖尿病
    3.4 インスリン非依存型糖尿病
    3.5 血糖と尿糖
    3.6 糖尿病により起こる昏睡
  4. 恐ろしい合併症
    4.1 血管が傷む動脈硬化症
    4.2 失明に至る目の障害
    4.3 糖尿病性腎症
    4.4 足の切断もある「えそ」
    4.5 多様な症状の神経の障害



こうして糖尿病になる

成人病として知られる糖尿病は、糖尿病を発病しやすい体質の人が、運動不足、食べすぎ、肥満やストレスなどにより、体のホルモンのバランスを崩して起こします。

◆ストレス

社会生活では心配ごとが絶えません。こうしたストレスも、糖尿病の誘因となります。

◆遺伝

糖尿病の体質は遺伝します。生まれつき糖尿病になりやすい人がいるのです。

◆肥満

糖尿病になりやすい体質の人が、偏った食生活や運動不足、肥満状態を長く続けると糖尿病を誘発します。

糖尿病本来の症状

膵臓が分泌するホルモンであるインスリンは、体内の細胞がブドウ糖を取り込む際に重要な働きをします。糖類は体を動かすエネルギー源ですので、インスリンの働きが不足すると、さまざまな不都合が生じます。これが糖尿病です。

◆体がだるい

インスリンが足りないので、糖類をエネルギーとして利用できず、たいへん疲れやすくなります。

◆尿の回数・量が多い

糖類が利用されないため血液中にあふれ、それを取り除こうと排尿が頻繁に起きます。

◆のどがかわく

頻繁な排尿により体内の水分が不足し、水が異常に飲みたくなります。

◆体重の変化

一般に糖尿病の人は太っていますが、症状が進行すると、体内の脂肪分がエネルギーとして使われ、やせてくるとともあります。

糖尿病の予防

糖尿病の予防には、生活習慣を変えることが大切です。食生活を改善し、日ごろから運動を心がけましょう。また、自分の体の状態を理解するように努めましょう。

◆尿の検査

尿に糖分が出ていないか、自分で試験紙で調べてみましょう。手軽にできます。

◆体重の計測

日常的に体重を計測しましょう。糖尿病を知る手がかりとなります。

◆定期健康診断の受診

健康診断の結果をおろそかにしないことです。血糖検査や尿検査で糖尿病を知ることができます。

糖尿病の治療

治療の基本は食事療法と運動療法です。これらを適切に行えば普通の糖尿病はコントロールすることができます。血糖値を適正に保てなかったり、合併症を引き起こしたりしたときにはじめてインスリン注射や内服薬を使用します。

◆食事療法

現在の糖尿病の食事療法は、自由に多彩な食品を食べてもかまいません。ただし、きちんと計量しよけいに取らないようにします。

◆運動療法

糖尿病の人は、毎日欠かさず、積極的に体を動かす必要があります。とくに、歩くことをおすすめします。

◆インスリン注射

インスリンそのものを補うのがインスリン注射です。自分で毎日欠かさず決まった時間に注射します。

◆内服薬

インスリンの分泌や働きを強めます。副作用が起こる場合もあり、現在は使用を避ける傾向があります。

◆食生活の改善

食事は腹八分目にとどめ、各栄養素をバランスよく取ることが大切です。早食いなどの悪習は改めましょう。

◆運動の励行

運動は、毎日できるものを行い、長く続けることが大切です。

合併症による症状

糖尿病は、血液中の糖が必要以上に増えることなどを原因として、さまざまな合併症を併発します。この合併症は全身に起こり、死に至るものも少なくありません。

◆糖尿病性網膜症

血管の傷みは目の網膜にも現れます。網膜の血管が出血しやすくなり、失明につながることもあります。

◆糖尿病性腎症

腎臓の機能が低下します。老廃物が血液中にたまり、全身にむくみが出て、腎不全を起こします。

◆動脈硬化症

血管が傷み、動脈硬化が一般の人以上に早く進行します。脳梗塞や心筋梗塞を起こします。

◆神経の障害

神経にも障害が出ます。冒される神経によって、しびれ、神経痛、発汗異常など、さまざま症状が現れます。

日常生活での心がけ

糖尿病の人は、えそや歯槽膿漏、尿路感染症にかかりやすくなります。いつも清潔を心がけるとともに、症状が進行する前に、専門医に診てもらうことが大切です。

◆食後は必ず、歯をみがく

糖尿病の人は歯槽膿漏や虫歯にかかりやすいので、口の中は常に清潔にしておきます。

◆こまめな足の手入れ

糖尿病性えそにならないために、とくに足は、清潔に保ちましょう。

◆尿路感染症に注意

排便後や月経時に気をつけ、局所を清潔に保ちます。排便後は前から後ろに拭きましょう。

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