食事でアミノ酸をバランスよく摂ろう

食事で摂りたいアミノ酸はこれ!

・アルギニン

 ダイエットアミノ酸の1つ、アルギニンは必須アミノ酸の1つ。
 アルギニンは、体脂肪が分解されるのを手助けし、分解された体脂肪を効率よく燃焼させる働きがあります。更に中枢神経に働きかけ、興奮性の伝達物質となり、気分を高揚させます。脳下垂体に働きかけ、成長ホルモンの分泌を促す命令を出させる働きもします。筋肉疲労を起こす乳酸を作らせない働きもあるので、運動後の疲れが軽減されます。筋肉組織、結合組織を強くしたり、免疫システムの反応を助ける働きもあります。つまり、心も体も元気に疲れ知らずにダイエットするためにはなくてはならないアミノ酸なのです。
 アルギニンを多く含む食品には、粉末状大豆たんぱく、粉末状小麦たんぱく、凍り豆腐、湯葉、ゼラチン、鮭の白子、かつお節、子牛肉、鶏肉、牛乳、ナッツ類、ひまわりの種、ごま、レーズン、玄米、オートミールなどがあります。

・リジン

 ダイエットアミノ酸の1つ、リジンは体内で作られない必須アミノ酸です。
 リジンは、体脂肪分解の手助けをし、体脂肪を効率よく燃焼させる働きがあり、ダイエットにはなくてはならないアミノ酸です。
 他には身体の組織を修復し、成長促進の作用や、肝臓に活力を与え、脂肪酸利用を促進するので、コレステロールを下げる働きがあります。
 また、ブドウ糖の代謝を促進させる働きがあるので、肉体疲労を回復させたり、集中力を高めたりするのになくてはならないアミノ酸です。
 カルシウム吸収の促進作用もあるため、多く摂ることによって骨粗しょう症の予防にもなります。
 リジンを多く含む食品は、粉末状大豆たんぱく、粉末状小麦たんぱく、さやいんげん、さやえんどう、かつお節、子牛肉、鶏肉、牛乳、チーズ、鶏卵、レバー、ナッツ類、ひまわりの種、ごま、レーズン、玄米、オートミール、白花豆などがあります。

・プロニン

 ダイエットアミノ酸の1つ、プロニンにはどんな働きがあるのでしょう。
 プロニンは、リパーゼを活性化することで体脂肪分解の手助けをし、体脂肪を効率よく燃焼させる働きがあり、ダイエットにはなくてはならないアミノ酸です。
 リジンなどと同じく、身体の組織を作り、修復する働きがあり、筋肉を作るのにはなくてはならない栄養素です。
 さらに筋肉が動く時のエネルギーとしても使われるので、不足すると疲れやすくなります。
 脳を活性化し、学習能力を促進させる働きもあります。
 プロニンを多く含む食品は、粉末状大豆たんぱく、粉末状小麦たんぱく、黒酢、納豆、かつお節、子牛肉、鶏肉、牛乳、チーズ、鶏卵、カゼインなどがあります。

・アラニン(フェニルアラニン)

 ダイエットアミノ酸の1つ、アラニンにはどんな働きがあるのでしょう。
 アラニンは、体脂肪の元である脂肪酸をすばやく分解し、体脂肪を効率よく燃焼させる働きがあり、ダイエットにはなくてはならないアミノ酸です。
 運動をすると、筋肉内の様々なアミノ酸がアラニンに変化し、肝臓に送られてエネルギーとして使われます。
 逆に運動を終えたとき、アラニンは各種アミノ酸に変化し、筋肉内にとりこまれます。身体の状況に応じて、エネルギー源になったり筋肉を作ったりと、様々に変化する、運動をする際にとても重要な役割を果たしているアミノ酸なのです。
 状況に応じて糖に変わったり糖から変化したりするので、血糖値の調整に深く関わっているのです。
 アラニンを多く含む食品には、粉末状大豆たんぱく、粉末状小麦たんぱく、納豆、かつお節、子牛肉、鶏肉、牛乳、チーズ、鶏卵、カゼインなどがあります。

組み合わせたい食材はこれ!

・ビタミンB2、体脂肪を燃焼させる

 アミノ酸ダイエットを実行するとき、ぜひ一緒に摂りたいのがビタミンB2です。
 ビタミンB2は糖質、脂質、たんぱく質の代謝に密接に関わっていて、特に体脂肪の燃焼を促進する効果があります。また、細胞の組織としてのたんぱく質を作り出し、身体の成長に重要な役割を果たします。破損した組織を元通りにもします。粘膜を強くする働きがあるので不足すると口内炎や口角炎などになりがち。
 ビタミンB2は体内に蓄えておくことができません。毎日必ず摂取する必要があります。熱には強いのですが、水やアルコールには弱いので、お酒を飲む人は特に沢山摂る必要があります。食品に含まれる量は少なめです。しかし幸い、ビタミンB2が含まれている食品は、ダイエットアミノ酸が含まれる食品と重複しているので、献立は立てやすいと思います。
 ビタミンB2が含まれている食品には、豚肉、鶏肉、牛乳、レバー、卵、納豆、鯖、カレイ、カキ、シジミ、ハマグリ、ホタテ、ほうれん草、春菊、ブロッコリー、小松菜等があります。

・ビタミンB6、アミノ酸代謝に欠かせない

 ビタミンB6は、アミノ酸の代謝に必要なビタミンです。身体がたんぱく質やアミノ酸を利用するのを助ける働きがあります。たんぱく質を多く摂るほど、ビタミンB6の必要量も増えるのです。
 食事で摂ったたんぱく質は、いったんアミノ酸に分解され、ふたたび必要な形のたんぱく質として作り替えられるのですが、この時に足りないアミノ酸があると、他のアミノ酸が代用として作り替えられます。このとき、ビタミンB6が活躍するのです。
 また、肝臓に蓄えられているグリコーゲンをエネルギーに変える時にも使われます。
 女性の生理痛、つわり、むくみ、アレルギー等にも効果があるといわれています。
 神経伝達物質の合成に関わっているので、自律神経失調症、無気力、うつなどにも効果を発揮します。
 ビタミンB6を多く含む食品には、牛レバー、豚肉、鶏肉、マグロ、サケ、サンマ、イワシ、ニシン、タイ、さつまいも、ぎんなんなどがあります。

・ビタミンB1、糖分を分解する

 ビタミンB1は、糖質や炭水化物をエネルギーに変える時には必要なビタミンです。甘い物や炭水化物を多く摂る人ほど、たくさん必要になります。ビタミンB1が不足していると、摂った糖質が分解されません。疲労物質である乳酸が蓄積し、疲れやすくなります。
 水溶性で熱に弱いので、効率よく吸収するには、ニラ、ネギ、ニンニクなどと一緒に摂ると良いのです。
 ビタミンB1を多く含む食品には、玄米、胚芽米、全粒粉パン、豚肉、うなぎ、マダイ、ハム、ピーナッツ、ベニザケ、ブリ、そば、ひまわりの種等があります。

・ビタミンB12、代謝に必要

 たんぱく質、脂肪、炭水化物の代謝に必要なビタミンです。葉酸と協力して赤血球を作るのに必要です。不足すると貧血になります。また、神経組織を維持するのにも必要なので、不足すると気分がふさぎ込みがちになったり、手足がしびれたりもします。
 植物の中には存在していません。身体の中で腸内細菌によって作られるので、めったに不足はしませんが、ベジタリアンの人などは注意して摂るようにしましょう。
 ビタミンB12を多く含む食品には、鶏レバー、牛肉、豚肉、卵、チーズ、シジミ、アカガイ、カキ、アサリ、ホッキ貝、サンマ、マイワシ等があります。

・ビタミンE、末梢の循環をよくする

 老化防止作用があるといわれてている油溶性のビタミンです。強力な抗酸化作用があり、不飽和脂肪酸が酸化するのを防ぎます。その結果血液がサラサラになり、毛細血管の血行をよくします。ビタミンCと一緒に摂ることでいっそう効果的に働きます。
 また、身体が酸素を摂取する働きを助け、乳酸の生産を抑えるといわれています。
 ビタミンEを多く含む食品には、植物性油、マーガリン、小麦胚芽、アーモンド、ニジマス、ヘーゼルナッツ、うなぎ、ハマチ、アコウダイ、緑黄色野菜、卵黄、レバー等があります。

・ビタミンC

 美と健康にマルチな活躍をするビタミンC。具体的には、コレステロールの代謝を促したり、筋肉が脂肪酸をエネルギーとして利用するのを助けたりします。免疫機能の強化、ストレスの軽減などにも大きな働きをしています。ビタミンEとともに働くと抗酸化作用が強化されます。水溶性で、すぐに体外に排泄されてしまうので、摂り溜めはできません。少しずつ毎食摂ることが大事です。
 ビタミンCを多く含む食品には、グァバ、ピーマン、芽キャベツ、柿、いちご、ブロッコリー、キウイ、ミカン、ほうれんそう、菜の花、じゃがいも、トマト等があります。

・クエン酸、糖質を効率よく燃焼させる

 クエン酸といえば、疲労回復に効果のある栄養素として有名ですが、ダイエットにもなかなか重要な役割を果たしています。
 糖質や体脂肪を分解して、エネルギーに変換する働き、疲労物質の乳酸もエネルギーに変換します。酸っぱいので、唾液や胃液の分泌を促すという働きもあります。
 クエン酸を多く含む食品は、梅干し、もろみ酢、レモン、ミカン等の柑橘類すべて、パイナップル、リンゴ、イチゴ等です。

・食物繊維、余分な脂肪を体外へ排出する

 食物繊維には水溶性と不溶性があります。人間の体内では消化されません。カロリーはなく、かさが大きく、胃の中で長時間とどまります。摂取すると満腹感が持続するのでダイエットには強い味方。
 また、脂肪を包み込んで体内に排泄したり、水溶性食物繊維にはコレステロールを低下させる働きもあります。
 食物繊維を多く含む食品には、オートミール、なっとう、さつまいも、ごぼう、ゆであずき、ゆでいんげん豆、干し柿、ひじき、海草類、きのこ類等があります。

・カプサイシン、エネルギー代謝が高まる

 トウガラシの辛み成分として有名です。脳の中枢神経を刺激し、副腎皮質からアドレナリンの分泌を促進させる作用があります。その結果、エネルギー代謝が活発になり、筋肉や肝臓に蓄えられていたグリコーゲンを分解、体内脂肪もどんどん燃焼されていきます。胃の働きを強くしたり、胃腸内を殺菌する働きもあります。米びつ内にトウガラシをいれておくと虫がつきません。
 また、毛細血管を収縮させ、心臓の働きを活発化させます。
 カプサイシンを含む食品はトウガラシです。

・ジンゲロン、脂肪燃焼

 聞き慣れない栄養素ですが、しょうがの辛み成分の事です。
 昔からしょうが湯は身体を温めるといわれてきましたが、これはジンゲロンの作用です。ジンゲロンは血行をよくしたり、発汗作用もあるので、体内の余分な水分を排出し、新陳代謝を高めます。老化の原因、活性酸素を防ぎ、遺伝子が傷つくのを防ぐという効果があります。胃酸の分泌バランスを整える作用や強力な殺菌作用もあります。お寿司に必ずガリがついているのはそのためです。
 ジンゲロンを含む食品には、しょうががあります。

痩せやすくする食事の黄金バランス

 今まで、我々日本人の摂るべき栄養成分の、熱量のバランスは、炭水化物、脂質、たんぱく質の順に6対2対2が良いと言われてきました。
 しかし、アミノ酸ダイエットを実行するには、このバランスでは少々炭水化物の割合が多すぎるのです。炭水化物の摂取が多すぎると、体脂肪がエネルギーとして使われ燃焼するまでの時間がとても長く、効率的なダイエットは望めません。
 アミノ酸ダイエットでは、この比率を炭水化物3:脂質1:たんぱく質6にする事を勧めています。このバランスに繊維質を加えて献立を考えればダイエットに最適な、食事の黄金バランスといえるでしょう。
 炭水化物を摂ると、まず体内でグルコースに分解され、体内でエネルギー源として燃焼されます。この燃焼させる酵素を活性化させるのがアミノ酸の働きです。
 更に体脂肪がよく燃焼されるための手伝いもします。ですから、たんぱく質を多くとるほどグルコースが消費されやすくなるというわけです。
 もし炭水化物の摂取量が多すぎ、さらにアミノ酸摂取量が少ない場合、使い切れなかったグルコースはグリコーゲンの形で肝臓にため込まれます。いざというときのエネルギーの蓄えなのですが、このグリコーゲンがあまりに多すぎる場合、グルコースはグリコーゲンにならないまま、体内の脂肪と結びついて、ダイエットの大敵中性脂肪に変化。全身にべっとりたまってしまうのです。これがいわゆる「体脂肪」というものの正体。
 食事として摂る脂肪が多すぎる場合も、これと似たような事が起こります。まず脂肪は脂肪酸に変化し、エネルギーとして使われるのを待っているのですが、体内のグルコースやグリコーゲンが多すぎる場合にはなかなか消費されず、ほとんど体脂肪として身体にため込まれるのです。
 それでは早く痩せたいから、と炭水化物や脂質をゼロ、たんぱく質を10にすればいい、と思う人がいるかもしれませんが、それは絶対にやめてください。たんぱく質が体内で動く時、糖質は大切です。糖質は細胞膜の形成にも重要です。糖質がないとたんぱく質は身体の中でうまく動くことができないのです。
 早く痩せたかったらまず「黄金バランス」での献立を実践してみてください。

お茶はなかなかのスグレモノ

 カフェインがダイエットに効く、というのは最近知られるようになってきました。カフェインを摂ると目が醒めますが、これは中枢神経を刺激する作用からくるものです。
 心臓の心拍数をあげたり、呼吸を早めたり、酸素効率を上げるのです。
 何よりカフェインがダイエットに有効なのは、血中の遊離脂肪酸を増加させ、脂肪酸の利用を効果的にする事なのです。
 更に利尿作用があるので、むくみがちの人には最適。
 血行をよくし、基礎代謝量を高めるのでダイエットの心強い味方なのです。
 カフェインはコーヒーや紅茶、緑茶などに沢山含まれていますが、コーヒー、紅茶だとつい砂糖やミルクを入れたりして、せっかくの効能が生かされません。
 その点緑茶なら、冷たくても熱くても、必ず無糖で飲むものですから安心。
 更に最近では、お茶に含まれるカテキンにも、脂肪燃焼効果があることがわかってきました。
 カフェインとカテキンを含み、飲み口さっぱりでさわやかな緑茶は、ダイエットに最適の飲み物といえます。

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